つれづれなるままに女性向け恋愛小説を執筆中。NL純愛物ばかり。年齢制限アリ。二次創作もアリ。 他にも日々お買いモノやハマリアニメやゲームを熱く語る乙女ゲーマーブログ。
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【ファタモルガーナの館 現代編 後日談】 ヤコポ×モルガーナ 【貴方とダンスを②】
続いて第二弾、後編!!よろしくよろしくぅ!!

☆この話は前編ともども、【ファタモルガーナの館・現代編】をクリアしてないと意味がわかりません。
ヤコモルが大好きな方、楽しんでいってください!!

では、どうぞ――――☆

無断転載はしないでください。よろしくお願いします。


ヤコポに連れられてきたのは、パリの中心部にある大きな建築物だった。
そこは・・・オペラ・ガルニエ。いわゆる世間様ではオペラ座と呼ばれる場所だった。
「ここってオペラ座じゃない・・・」
「・・・前に君に、私が不動産関係の仕事をしてるって話しただろう?」
「ええ」
「一応、ここも取引先の知り合いってことで顔パスで入れるんだ。・・・中に入るぞ」
「え・・・でも入場料・・・・」
「・・・いらん。今日はオペラを見に来たわけじゃない。見せたい場所があるんだ」
そういって人通り少ないオペラ座の大階段を黙々と登っていく。ついた先はオペラ座の屋上だった。彼が屋上のドアを開けるとモルガーナの前に広がったのは――――それはそれは、美しい、パリの夜景だった。

「わあ・・・・!」
あまりの美しさに彼女は感嘆のため息をもらした。まるで空を飛んでいるかのように、月明かりの下、パリの灯は煌々と光を放っていた。夜の闇にエッフェル塔のライトアップがまたたいている。

「・・・気に入ったかね?」
「ええ!もちろん。私、こんな高いところから、パリの夜景を見るの初めて・・・・!」
普段おとなしいモルガーナも、この時ばかりは年頃の少女のように頬を染めてはしゃいでいた。

「よし。じゃあ、ここで踊ろう」
「えっ!?ここで踊るんですか?危なくないかしら・・・・」
「いーからいーから」
そういってヤコポはモルガーナの手をとると、先ほどと同じようにリードしながら踊りだした。
つられてモルガーナもくるくると回りながら華麗にステップを踏む。
それは夜景とあいまって一組の男女が幸せそうに踊る絵になる光景だった。

しかし、踊ってる最中、モルガーナの中にじわじわと異変がおきてきた。いわく、モルガーナの中のあの子が――――白い髪の娘【ミシェル】が歓喜に打ち震える声だった。

あの鋼鉄の時代の。

その時代でかつて前世の【ヤコポ】と【ミシェル】は夫婦だったのだ。

うれしい・・・・!
    うれしい・・・・!!

ああ、愛しい貴方、やっと私の願いを叶えることができました!
ありがとう、ありがとうございます!!
こんなにうれしいことはありません!!

そんな甘く切ない感情が怒涛の勢いでモルガーナの中に溢れこんできたのだ。
モルガーナはステップを踏むのをやめ、立ち止まった。
その黄金の瞳から、ぼろぼろと涙がこぼれた。

「・・・モルガーナ?」
怪訝そうに覗き込むヤコポはしまったという顔をした。モルガーナの泣き顔を見てしまったのだ。
「す、すまん。モルガーナ。こんな高いところで、いきなりダンスするなんてどうかしてるよな。怖かったろう?」
彼はすまなさそうに手袋をはめた指で、そっと彼女の涙をぬぐった。





「・・・・がう」
「ちがうッッ!!」

「ちがうッ!!!これは、これは――――私の感情じゃない!私の中のあの子が――――【ミシェル】が――――」
「え・・・?」
「なんで、なんでなのよ!?貴方が私を壊したのに、貴方が【ミシェル】を壊したのに!なんで今更こんな感情がよみがえってくるのよ・・・・!?」
モルガーナは顔を覆って嗚咽した。それをじっと見ていたヤコポはしゃがんだモルガーナをそっと、壊れ物を扱うかのようにゆっくりと、愛し気に抱きしめた。
「!?・・・・離して」
「・・・いやだ」
「離して!!!」
「・・・・泣いてる君をほおっておけない」
モルガーナはしばらく感情が赴くままに涙をこぼした。その間中ずっと、ヤコポはモルガーナを優しく抱きしめ続けた。

「・・・落ち着いたか?」
「ええ。らしくもなく取り乱したわ・・・・・最悪。よりにもよって、貴方に慰められるなんて」
「はは。それだけ悪態がつける元気があるなら、大丈夫だな」
気が付くとだいぶ時間がたっていた。夜風が身に染みる。
(寒い・・・・)

モルガーナが夜景を背に屋上のドアへ向かおうとすると、後ろからふわりと落ち着く香りがした。
「え・・・・?」
「着ていろ。・・・女性が体を冷やすもんじゃないからな」
気が付くと、モルガーナの肩に彼のジャケットがかけられていた。かすかに彼の吸っている煙草の匂いがする。
「・・・いらないわ」
「いいから!だまって着ていろ!これで風邪なんかひかれたら、たまったもんじゃない!」
「私をこうして連れまわしているの、貴方なんですけど・・・あっ!?」
「・・・?モル―――うぉっ!?」
いきなり、押し問答をしている二人に困惑の声が混じった。モルガーナは暗闇で足場が見えなかったからだろう。
慣れないヒールで溝にはまってしまい、つんのめってヤコポに抱き着く形でこけてしまった。
一方ヤコポはというと、後ろを振り向いたらいきなり彼女にしがみつかれたので、体のバランスをくずし背中から地面に勢いよく打ち付けた。
「いっ・・・・つ―――――!!大丈夫か、モルガーナ?」
「平気よ。貴方が下になってくれたおかげで――――」
そういってモルガーナが顔をあげると、至近距離で端正な彼の顔があった。ヤコポの瞳と目があい、言葉を失う。
その時、時がとまったかのように思えた。
モルガーナは早く熱いヤコポの視線から目をそらしたいと思った。けど、なぜか、目が離せない。
「モルガーナ・・・・」
暗がりの中で、彼の影がモルガーナの影に重なろうとしたところに――――。


「あの――――。そろそろ閉演なんですけど――――?」
という従業員の困惑した声が屋上に響いた。慌てて二人は何事もなかったかのように離れた。
「そ、そろそろ降りようか?」
「そ、そうね・・・・あ、いた・・・!」
モルガーナの肩足にピリッと激痛が走った。どうやら足をひねったらしい。
「大丈夫か?モルガーナ!・・・足を見せてみろ」
「え・・・けど・・・・」
「いいから!」
なかば躊躇したモルガーナをよそに、ヤコポはそっとヒールをはずすと、確かめるように足をなでた。
「思ったより腫れてはおらんな。車もってくるからちょっと待ってろ。あ・・・!」
そういえばここから降りるには階段を使わねばならなかった・・・・!思わぬ失態に舌打ちしそうになる。
時間も押し迫っているし、ヤコポは強硬手段に出ることにした。
「あ――――・・・・モルガーナ、すまん。ちょっとの間、我慢しててくれ」
「え?我慢って何を・・・?きゃっ!?」
そういうとおもむろにヤコポは、モルガーナを横抱きに抱え上げた。いわゆるお姫様抱っこというやつだ。
これにはモルガーナも仰天した。
「ちょっと!?ヤコポ、何するの!?いい加減、離しなさい!」
「こら!ちょっと・・・暴れるな!時間も押してるんだ。早く降りるにはこれが速い!」
「ひっ・・・!!」
揺れる視界におびえたモルガーナは、思わずヤコポの首にしがみついた。
「!?」
彼女の体から発する甘い匂いに、ヤコポは動揺して顔を赤らめた。
(ああ・・・頼むから、こっちを見ないでくれ!モルガーナ!)
と心で必死に念じながら、ただひたすらにオペラ座の大階段を下りて行った。
無論、ホールで人とすれ違うときくすくすと笑われたのは言うまでもない。
(絶対、もうヤコポについていかない・・・・!)
と羞恥で、決意を新たにするモルガーナだった。二人はそそくさとオペラ座をあとにした。


【そんでその後の後日談】
「・・・と、こういうことがあったんです」
ふつふつとこみ上げる怒りを抑えながら、ミシェルとジゼルの二人にモルガーナは語っていた。
「あら~~!ロマンチックじゃないですかぁ!夜景の中でダンスなんて、ヤコポさんやるなぁ!」
「ほんと、散々な目にあったわ。あの人といるとろくなもんじゃない。疲れるし・・・・」
なおもぶつぶつと言い続けるモルガーナを、苦笑しながらミシェルとジゼルは微笑みあった。

「そういえば!モルガーナ、このドレス、どうします?」
ジゼルに預けていたドレスを、モルガーナは興味なさげに見やった。
「・・・いらないわ」
「えっ!?いらないって・・・」
「だって持っていたって使いようがないもの。私は、パーティは苦手だからそもそも出ないし」
「でも・・・せっかくヤコポさんが貴方のために作ったものなのに・・・あっ!?」
「なんですって・・・!?ミシェル、これってレンタルのドレスじゃなかったの?」
「あ・・・あはは。いや―――、なんていうか・・・・」
場に気まずい沈黙が流れた。次に口を開いたのはジゼルの方だった。
「モルガーナがダンスパーティにでるって決まった時、マリーアさんにも雑談で話したんでしょう?」
「え、ええ・・・」
「それが巡り巡って、ヤコポさんの耳にも入ってて・・・ヤコポさんがこのドレス持ってきてくれたんです。モルガーナはきっと、着るドレス、もってないだろうからって」
「このドレス、あの人が・・・・!?」
「・・・ただ、モルガーナには内緒にしててほしいって言われたんです。自分が見繕って選んだドレスだと知ったら、袖をとおしてくれないだろうからって」
「・・・・・・」
(ほんっと、相変わらずムカつく男ね・・・・!)
「だとしたら、余計、いりません。そのドレスだって着る人がいないなら、可哀そうだわ」
「う――――ん。そうですねぇ・・・あ、そうだ!だったらリメイクしてみませんか?」
「・・・りめいく?何それ?」
「私もミシェルとの結婚式できたウェディングドレス、バッグにリメイクしてもらったんですよ!あ、リメイクってのはドレスを別のものに作り変えることですよ」
「モルガーナのドレス、もしかしたらワンピースに変えられるかも!ワンピースなら外出着で着れますし、きっとヤコポさんも喜びますよ!」
(別に、あの人を喜ばせるために、着てるわけじゃないんだけど・・・)
「・・・・はあ。もういいです。好きにするといいわ」
「は――――い!じゃあさっそく頼んできますね!」

そういって鼻歌を歌いながら出て行ったジゼルを眺めながら、ふと、モルガーナは大嫌いなあの人を思った。
(あの人が選んだドレス・・・もう着たくないけど・・・・でも・・・・あの桜色は嫌いじゃなかったわ)
そんなことをふと思う、モルガーナであった。



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