つれづれなるままに女性向け恋愛小説を執筆中。NL純愛物ばかり。年齢制限アリ。二次創作もアリ。 他にも日々お買いモノやハマリアニメやゲームを熱く語る乙女ゲーマーブログ。
page top
【ファタモルガーナの館 現代編 後日談】 ヤコポ×モルガーナ 【貴方とダンスを①】
はーい!ファタモルガーナの館 ヤコポ×モルガーナのカップリング小説です!!


ヤコモル自家発電でっす!時間軸としては、ヤコポ27歳、モルガーナ17歳の初夏が舞台です!


無断転載はしないでください。よろしくお願いします。

たのしんでくださーい!!



ああ、愛するモルガーナ。・・・・もう僕は決して、二度と君を傷つけたりしない。

その日、モルガーナは最近転校した高校からの帰り道、憂鬱だった。
時期は初夏になろうとしている。もうすぐ夏休みに入るし、そしたらまたミシェルたちの家でだらだら過ごすつもりだった。しかし、今日配られた学校のプリント・・・。
それを見ながら、また、深くため息をついた。そこには親睦を深めるため、ダンスパーティをとり行う、しかも2年生は強制参加となっていた。
(どうして高校ってこういうイベントが多いのかしら・・・ほんと嫌になるわ)
パーティが苦手なモルガーナは、そのプリントをくしゃくしゃに握りつぶすと、家路へと急いだ。

うららかな午後。
アパートメントの管理人、ミシェルの恋人ジゼルは鼻歌を歌いながら、掃除機をかけていた。
一方、ミシェルはというとダイニングテーブルの上にパソコンを置いてメールをチェックしていた。
そして、その光景にモルガーナもいつもの定位置のソファに寝そべって携帯ゲーム機をいじりながらお菓子を食べ、のんびりくつろいでいた。これが、ミシェルの家の日常だった。

「~♪~♪ ・・・・あらっ!?」
ご機嫌よく鼻歌を歌っていたジゼルが戸惑いの声をあげた。どうも、掃除機の先でゴミ箱をひっくり返してしまったのだ。案の定、中のごみが部屋にぶちまけてしまった。
「あちゃ~~、やってしまいましたぁ。あら・・・これ」
ジゼルが拾い上げたのはくしゃくしゃになったプリント・・・先ほどモルガーナが見ていた学校からのプリントだった。
ジゼルはおもむろにプリントを広げると、中身を読み始めた。
「あら~~!モルガーナ!モルガーナの高校で、今度ダンスパーティがあるんですか!?素敵じゃないですかぁ~!」
それを聞いてだるそうなしぐさでモルガーナが振り返った。
「ああ、それ。もうただのゴミです。私、パーティなんて苦手なんで出ませんから。適当に体調不良とか言って休みます」
「ええ!?・・・けど、なんかもったいなくないですか?せっかく高校のイベントとしてあるのに・・・・」
「それがけっこう面倒なんです。出るならドレスも手配しなければいけないし、相手も探さなきゃいけないから」
「けど・・・高校のイベントって貴重ですよ?なんか青春してるって感じじゃないですか!」
(貴方のおめでたい頭じゃそうでしょうね・・・)
モルガーナはジゼルの発言に頭を抱えそうになった。すると、パソコンをチェックしていたミシェルから声がかかる。
「行ってみたらいいじゃないですか、モルガーナ。ドレスの手配とかなら手伝いますよ」
「いいえ。パーティにはいきません。第一、相手がいないもの」
「モルガーナって高校で踊ってくれそうな男子はいないんですか?こんなに可愛いんだもの!モテそうだと思うんですけど」
「あいにく、私は高校で男子と話したことはほとんどないわ。誘ってくる人もいままでいなかったし。・・・いても断りますけど」
「ダンスの相手って高校生だけじゃなくてもいいんですか?」
「ええ。大学生の彼氏とかいる子もいるから。パートナーのどちらかが高校に在籍していれば、問題ないそうです」
「ええ!?そうなんですか?じゃあ、モルガーナ、ヤコポさんを誘ったら?」
「・・・・どうしてここで、あの人の名前が出てくるんですか?」
ジゼルはしれっと爆弾発言をしたので、ミシェルは気が気じゃなかった。ヤコポとモルガーナの確執は聞いている。
モルガーナはまだ彼のことを嫌っているのだ。悲しいかな、当のヤコポは彼女のことをとても大切に思っているのだが。
現にモルガーナは、ヤコポの名前を聞いた時から冷たい空気をかもしだしていた。
「ジ、ジゼル!モルガーナはパーティにあんまり乗り気じゃないんですから、無理に送り出してもよくありませんよ」
「ええ!?ですけど・・・高校のイベントって結構人生の思い出になる大事なイベントですよ?出た方がいいと思うけどなぁ~」
「・・・・そうね。もし、ミシェルが一緒にでてくれるなら、出ても構わないわ」
「え。・・・私ですか?」
「ええ。私もああいうにぎやかなイベントは苦手だけど、いい加減慣れないと、と思っていたの。ミシェルが一緒に出てくれるなら、心強いわ。別に必ず恋人じゃなきゃだめとは書いてないし」
「それは・・・かまいませんが。モルガーナはそれでいいんですか?」
「・・・ええ。何事も経験が大事だと思うから。私もこういうイベントにいい加減慣れないと」
「ジゼルはいいんですか?」
「う~~~ん、本当は複雑なんですけど、モルガーナの思い出作りのためですもの!特別に許しちゃいます!」
満面の笑みでジゼルは同意した。そしてやる気満々といった風で腕まくりをすると、
「じゃあじゃあ、モルガーナのドレス、さっそく手配しますね!モルガーナは地がいいんだから、きっと華があるわ!」
「・・・あんまり、派手じゃなくて動きやすいのにしてください」
・・・こうしてモルガーナの思い出作りという名目で、ミシェルとモルガーナがパーティに参加することになった。

そして、パーティ当日。パーティ開始の3時間前。
モルガーナは辟易しながら、パーティ会場控室でじっとしていた。目の前には鏡があり、あんまり分不相応な自分が映っているような気がしたからだ。
鏡には桜色のパーティドレスを着て、いつものみつあみは結い上げて花飾りをつけた、ドレスアップした自分がいた。
(やっぱり出るなんて言うんじゃなかったわ・・・・)
ジゼルがあれやこれやと着付けや化粧を手伝ってくれたが、手順の多さに辟易していた。
「わ~~~!とってもきれいですよ!モルガーナ!これなら男子が放っておかないわ!」
「・・・それはどうも。ジゼルの化粧のおかげじゃないかしら?」
「またまたぁ!モルガーナは、もともととっても魅力的なんですから、自信もっていいんですよ?」
(魅力的?・・・私が?・・・ありえないわ)
なかばげんなりしながらジゼルの言葉にうなずいていると、ジゼルの携帯がなった。
「あ、ちょっと出ますね!あ、ミシェル?どうしたんですか?もうモルガーナはパーティ会場で準備万端ですよ!・・・・え?階段からこけて足をねん挫したぁ?ちょっと、大丈夫なんですか!?」
話の内容にモルガーナはさぁっと血の気がひいた。どうも、ミシェルが怪我したらしい。彼は大丈夫だろうか?
「え?それで代理を呼んだ?現地集合で落ち合うことになってる?・・・わかりました。じゃあ先にパーティ会場入っておきますね!」
「え・・・え?ジゼル。ミシェルは大丈夫なんですか?」
「ええ。ちょっと痛むみたいなんですけど、大事ではないそうです」
「そう。じゃあ・・・パーティは不参加にしましょう。相手もいないことですし」
「何言ってるんですか!?せっかくのモルガーナがパーティに出るって決意したのに!ここで終わりじゃないですよ?」
「え・・・でも。相手が・・・・」
「まあまあ、すぐ代理が来るらしいんで、パーティ会場で待っていてくれ、だそうです」
「ええ?代理って誰なんですか?」
「まあまあ、それは来てからのお楽しみ!じゃあ行ってらっしゃ~~い♪」
手をひらひら振りながらジゼルは、しぶるモルガーナを送り出した。

そして、ダンスパーティ開始。
モルガーナは憂鬱だった。会場にはきれいなクラシックがかかっていて、それぞれ男女が楽しそうに踊っている。
一方、モルガーナは会場の隅っこで、借りてきた猫のように縮こまっていた。さっきから周囲の視線が痛い。
たぶん、パーティ会場で独りぼっちで浮いているのは重々承知だが、とくに男子の視線が痛い。
モルガーナは気づいていなかった。自分が人目をひくほど華のある艶やかな少女だということに。

まわりにいる男子たちはそわそわして、モルガーナのほうをちらちら見ている。
やがて、男子の一人がモルガーナの方へ歩み寄ってきた。
モルガーナは周囲をきょろきょろと見回すも、どうも彼が自分が目的で近づいてくるようだと気づくと、緊張で体をこわばらせた。
「よお、モルガーナじゃないか!おれ、2組のアドルフっていうんだ。よかったら一緒に踊らないか?」
一瞬、何を言われたのかわからなかったが、ダンスに誘われているとわかったモルガーナは丁重に断ろうと思った。
「え・・・いいえ。けっこうです。相手を待ってるので・・・・」
「そうは言ってもよぉ。お前、ずっと一人じゃんか?いいから一緒に踊ろうぜぇ!」
そういってアドルフといった男子は、無遠慮にモルガーナの細い腕をとろうと手をのばしてきた。
「や、やめ―――」
モルガーナは戦慄した。知らない男子にうでを触られるなんてもってのほかだった。

――――――しかし。

「失礼。そのお嬢さんのパートナーは私なんだ。お引き取り願えるかな?」
空間に、低く艶やかな声が響いた。モルガーナはおそるおそる目をあけた。
そこには、こげ茶色のくせ毛で黒いタキシードを着た長身の男性が立っていた。
ついでにいうなら、モルガーナに手をのばそうとしたアドルフのうでを、けん制するようにつかんでいる。
「てめぇ、いいかげん離せよ!なんだよ、この女が寂しそうにしてたから誘ってやったのに!」
「それは失礼。君の方こそいいかげん去りたまえ。彼女のパートナーは私なのだから」
アドルフはぶつくさいいながら、その場を後にした。

長身の男は振り返ると、モルガーナの方へとゆっくり歩み寄ってきた。
モルガーナは後ろの照明の光で最初はよく見えなかったが、だんだん目が慣れてきた。
そこで見た光景にモルガーナは絶句した。

そこには、こげ茶色のくせ毛で涼し気な目元、すっととおった鼻筋に、薄い唇。見間違えようがない。

彼女のよく知る青年、ヤコポだった。

モルガーナはヤコポの姿をみて激しく動揺した。そして頭を抱えたくなった。
(な、・・・なんであの人が、ここにいるのよ!?)
そこまで思考してハッと気づく。ミシェルの言っていた代理は、ヤコポだったのだ。
そして当のヤコポはというと、なんていうか、瞳を潤ませてじーっとさっきから着飾ったモルガーナを、熱い視線で見つめていた。
その視線に居心地がわるくなったモルガーナがおもむろに切り出す。
「・・・何?さっきからじろじろ私を見て。どうせ、似合ってないって言うんでしょう?」
「い、いや・・・その・・・とても綺麗だ。・・・モルガーナ」
「!!??」
ヤコポの気持ち悪いくらいストレートな感想にモルガーナは戦慄した。
(な、なに言ってるのよ、この人は!気持ち悪い!!)
しかし、まわりから黄色い歓声が聞こえた。

女子たちがなぜかタキシードを着たヤコポをみてキャーキャー言っているのだ。
すると、クラスメートの女子たちがモルガーナに近づいてきた。
「ねぇねぇ、モルガーナ!彼氏いないっていってたくせに、すごいカッコいい人連れてきたじゃん!ねぇねぇ、紹介してよう!」
「え・・・いや、この人は、なんていうか・・・・」
ヤコポの突然の出現に、しどろもどろになっているモルガーナの前で、彼はとろけるような甘い微笑みクラスメートに向けた。
「初めまして。モルガーナのパートナーのヤコポといいます。以後よろしくお見知りおきを」
(・・・・貴方が、いつ!私のパートナーになったのよ!!??)
あまりのヤコポの外面の良さに、モルガーナは頭を抱えたくなった。
ついでヤコポのうでを強引に引っ張ると、会場のすみに移動させた。
「ちょっと!どういうこと!?私はミシェルと参加するはずだったのに!」
鼻息あらく彼をにらみつけると、彼は飄々とした態度で肩をすくめた。
「話は聞いている。ミシェルが君と参加するはずだったパーティに出られなくなったので、急きょ私が代理できたのだ。ミシェルから連絡があって、な」
「だからって・・・!」
「・・・・やっぱり、ミシェルの方がよかったかね?」
その一言で、モルガーナは彼が少なくとも傷ついてることに気付いた。とたん、なぜか胸に罪悪感がじわじわと湧いてくる。モルガーナはつま先からてっぺんまでヤコポをまじまじと見つめていた。
なんていうか、悔しいが、本当に悔しいが、タキシードを着たヤコポは洗練された大人といった感じで、大人の色香をかもしだしていて、またそれがモルガーナを困惑させた。
「ヤコポ。貴方・・・・・馬子にも衣装ね」
「き・み・な・ぁ!!せっかく人が仕事、早く切り上げて急行したっていうのに、いうことがそれか!?」
「悪かったわね。私、性格悪いから」
意地の悪い笑みを浮かべながら、モルガーナは彼を見上げた。

「ところで、せっかくのダンスパーティだというのに、君は隅っこで何、縮こまっているんだ?」
「うるさいわね。相手がいなかったから邪魔にならないようにしていただけよ」
「なら、もうダンスの輪に入っても問題なかろう?君の相手はこうして来たのだから」
「え?・・・え?ちょっ・・・・!?」
そういってヤコポはモルガーナの手を引いた。それと同時にみんなの視線がヤコポとモルガーナに集まっていく。
モルガーナは恥ずかしくて死にそうになった。しかし、ヤコポはどこ吹く風といった感じでモルガーナを導いていく。
「ちょっと、ヤコポ!あんまり真ん中に行かないで!目立ちたくないの!」
「わかった、わかった。じゃあなるだけ端によってやる」
「ちょっと・・・・!?」
すると、ちょうどダンスが一区切つき、新しい曲がかかっていた。

ヤコポがホールのすみに、モルガーナを連れて行くと、向き合って優雅に一礼した。
(ど、どうしよう・・・?ダンスのステップってどうだったっけ?)
緊張でぎくしゃくしているモルガーナを、ヤコポは静かに引き寄せた。
「ヤコポ・・・ごめんなさい。やっぱり、ダンスやめるわ」
「・・・どうして?」
「だって、緊張してステップど忘れしちゃったのよ!?どう踊ればいいかわからないわ!」
緊張で焦るモルガーナを見つめる彼は、目を細めてくすりと笑うと彼女の耳元でやさしくささやいた。
「大丈夫。僕に任せて」

やがて音楽がかかり、いつの間にかモルガーナはヤコポに誘導されるがままにくるくるとダンスを踊っていた。
――――それは不思議な感覚だった。
(え?私・・・・踊れてる?)
ヤコポのリードがうまいおかげで、モルガーナは恥をかかずに綺麗にダンスのステップを踏んでいた。
はたからみたら、・・・・モルガーナは否定するだろうが、美男美女のお似合いのカップルだった。

やがて、音楽も終わり、ダンスも一区切りついた。
彼女は気づかなかったが、モルガーナから手を離そうとする、ヤコポの表情が一瞬、名残惜しそうに見えた。
一方モルガーナはというと、もうダンスをやりきったという達成感でいっぱいいっぱいになっていた。
(つ・・・つかれた・・・・)
ぜーはー言いながら、モルガーナはやっと人心地ついた。やがて、パーティもお開きになった。

会場をあとにすると、門の前で煙草をふかしながらヤコポが待っていた。
「今日は災難だったな。・・・家まで送るよ」
「え・・・けど」
「まさかそんな恰好で地下鉄に乗る気じゃあるまいな!?」
「それはないけど・・・・」
「いいから、さっさと車に乗れ」
彼に促されて、モルガーナはしぶしぶ彼の車の助手席に座った。

気まずい空気が二人の間に流れた。モルガーナはなるだけ彼を見ないようにしながら、小声で彼に話しかけた。
「あ、あの・・・・ヤコポ」
「・・・・うん?」
「あの・・・・今日はその、あ・・・りがとう」
ようやく聞けた彼女の感謝の言葉に、ヤコポは運転しながらひどく動揺した。
「あ、あああ。その・・・・今日は、楽しかったかね?」
「うん。まあ・・・・悪くなかったわ」
そういって車内の暗がりの中、うっすらと頬を染めていた彼女が愛しくて、ヤコポは今すぐ彼女を抱きしめたい衝動にかられた。

「まあ・・・その、なんだ。モルガーナ。まだ時間はあるか?」
「え・・・まあ一人暮らしだから・・・いいけど・・・」
「じゃあ、ちょっと寄りたいところがあるんだ」
「寄りたいところ?」
「ああ。君に見せたい場所がある」
そういってヤコポは、パリの中心部へと車を走らせた。

                                               ・・・・つづく!!

スポンサーサイト

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する


© 琥珀の月(ゲームネタバレ 創作小説). all rights reserved.
Page top
FC2 BLOG